ペットの世話、塾の送迎代行、納屋の整理、そんな仕事のはずだった-。
東京郊外のまほろ市で、けっこう真面目に便利屋を営む、しっかり者の多田啓介(瑛太)。
そんな多田のもとに、風変わりな同級生、行天春彦(松田龍平)が転がり込んできた。
1晩だけのはずが、行天は一向に出て行かず、多田はしぶしぶ便利屋の助手をさせることに。
こうして、水と油のような2人の奇妙な共同生活が始まった。
多田便利軒を訪れるのは、まほろ市に住むくせ者たちばかりで、
なんだかんだと彼らを放っておけない多田と行天は、やっかいごともしぶしぶ請け負っていたが、
やがてある事件に巻き込まれていく-。
ともにバツイチ、三十路の男2人の痛快で、やがて胸に熱く迫る便利屋物語が始まる-。
2011年
感想
監督は大森立嗣。
三浦しをんの原作が好きで、全部読んでるのだが、あの雰囲気がよく出てたと思う。しかしながら、もう少しテンポ良くして欲しい。
原作は、やろうと思えば石田衣良のウエストゲートパークみたいに延々に続けられそうなのに、スパッと終えてある。それが三浦しをんと石田衣良の作家性の違いなのかもしれない。
多田と行天、カップルだって認めれば良いのに。
クローズドなようでクローズドではない行天と、オープンなようで一番閉鎖した多田。二人はどこかで壊されていて、行天の小指一本によって二人はくっついている。この距離感を崩すようなことはできないのか。
瑛太の前髪に白いものが混じり、年を取らないようでいて松田龍平はとても暗い。
映像作品は、映画の「まほろ駅前狂想曲」ドラマの「まほろ駅前番外地」と続く。この雰囲気なら、「探偵はBARにいる」シリーズよりはクオリティが高そうなので、アマプラに制限がなくなった時に会員だったら見ようかなという感じ。