人生は泡のよう。消えないうちに、愛して。舞台は、パリ。働かなくても暮らしていける財産で自由に生きていたコランは、無垢な魂を持つクロエと恋におちる。友人たちに祝福されて盛大な結婚式を挙げた二人は、愛と刺激に満ちた幸せな日々を送っていた。ところがある日、クロエが肺の中に睡蓮が芽吹くという不思議な病におかされる。高額な治療費のために働き始めたコランは、不可思議な人間関係に巻き込まれていく。クロエは日に日に衰弱し、コランだけでなく友人たちの人生も狂い始める。もはや愛しか残されていないコランに、クロエを救うことは出来るのか−?
L’Écume des jours 2013年
感想
監督はミシェル・ゴンドリー。
なんとメタファーの多い作品だろう。
ニコラの不思議な料理は、ニコラの料理のユニークさ、豊かさを示すと同時に、コランの幸福を描く。クロエとであって空中を散歩するのも、コランの胸の高まり。クロエの肺のつぼみは、おそらく結核。銃身を育てるというのは、戦争のメタファー。コランがついた職業は、銃身など武器を作る仕事だったのだろう。コランにとっては退屈でつまらない、そしてコランにはうまくできない作業だった。
作家の部分はおそらく、サルトル。サルトルに対するアンチテーゼだったのだろうか。
ミシェル・ゴンドリーらしい、絵の作り方。近い作品は「グリーン・ホーネット」ではなく、「恋愛睡眠のすすめ」かな。あれもファンタジックだった。映画館で見たかった。