ジャン=ドミニクは「ELLE」誌の編集長として、幸せで華やかな人生を送っていた。ところがある日、脳梗塞で倒れ、「ロックト・インシンドローム(閉じ込め症候群)」になってしまう。身体的自由を奪われ、唯一動くのは、左目だけ。そんな彼に、言語療法士アンリエットは、瞬きでコミュニケーションをとる方法を考え出す。ある日彼は、瞬きのみで自伝を綴り始める―
Le scaphandre et le papillon 2007年
感想
監督はジュリアン・シュナーベル。
静かな、静かな映画だ。
ぼやけた視界といったジャン・ドーと一体化できる画面が多くのシーンを占める作りのおかげで、ジャン・ドーの「想像力(妄想)」や「記憶」は鮮明だ。食事のシーンのエロチックなこと。「マジックキッチン」でマギーQが食べるシーンで「食の官能を知った」というところがあるが、マギーQのセクシーさが言わば一人なのに対して、このシーンのエロチックさは二人で紡ぐ楽しさだった。
笑ってしまうのが、胸元や足下を何度も何度も写すことだ。日本を始め、アジア映画ではしそうにもない演出だと思う。さすが、フランス。やっぱり「つい見ちゃう」ものらしい。ひらひらとしたワンピースの裾がとてもエロチックだった。
マチュー・アマルリック, エマニュエル・セニエ, マリ=ジョゼ・クローズ, アンヌ・コンシニ, パトリック・シェスネ, ニエル・アレストリュプ, オラツ・ロペス・ヘルメンディア
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