とつの事件を機に精神に異常をきたし、殺人に走るようになった元射撃選手の男と、彼との間に因縁を持つ刑事との対決を描く。
鎗王 Double Tap 2000年
感想
監督はロー・チーリョン。
レスリー・チャンは希有な俳優だったことは確かだ。
他の作品とは異なり、本作の暗い暗い、空虚な目。空虚な目の俳優、目力の俳優はいるけれど、どちらもできる俳優は少ない。目を赤く縁取りしたメイクがビョーキの人をうまく演出していた。ラストの足が崩れていく様子の見事さ。あれができる俳優はそう多くはない。惜しい俳優だった。
アレックス・フォンという人はなかなか律儀そう役や義侠心のある男を演じることが多い。「ラストロマンス」でずっとこの人を見ているのだが、変わらないなあ。ほめているのではなく、進歩がないということ。レスリー・チャンの狂気と比べればはるかに軽いのが惜しい。
本作ではプロデューサーだったイー・トンシンが監督した続編「トリプルタップ」でもちょい役ででるのだが、そちらがルイス・クーとダニエル・ウーがイーブンなのに対して、本作は圧倒的にレスリー・チャン、というのは良くない。ストーリーは本作の方が上なのだが。
ラストのショッピングセンターは沙田ではないかと思うのだが。映画館もあるし。
最後の映画館での銃撃戦は「マトリックス」直後だなあ、と思う。
これは古いのでレンタルの方がいいです。