運命の一目惚れは、突然やってきた。
マジメで優しい心の持ち主だが、7人の姉たちにガミガミ言われると時々ブチ切れてしまうバリー。
トイレの詰まりを直す“キュッキュ棒”を売る会社で働く彼のもとへ、突然の眩暈のように恋がやってきた。大きな瞳でバリーを見つめる女性リナ。バリーの姉の同僚だった彼女は、家族写真の中のバリーに一目惚れ。偶然をよそおって、彼に会いにきたのだった。
恋する男は12000個のプリンを買う。
海外出張が多いリナと、離ればなれになってしまうバリー。
そこで、バリーは名案を思いついた。食品会社の商品を買うと航空会社のマイルがもらえるキャンペーンで、マイルを貯めるのだ。
街中のスーパーから1コ25セントのプリンを買い占めた。これでいつでも一緒にいられる…。
愛の力は、大ピンチに勝てるか?
リナに出会う前、話し相手欲しさのあまり、悪質なテレフォン・セックス・サービスに引っかかってしまったバリー。
バリーをゆすろうとする悪徳組織の手がリナに及んだとき、恋するバリーは奮起する!
Punch-Drunk Love 2002年
感想
監督はポール・トーマス・アンダーソン。
そういや、アダム・サンドラーと伊藤英明と伊藤淳史は見ないことにしていたのだった。でも、本作は別。何度も見てしまう。おそらく、監督がいいのだろう。もちろん、PTAなので奇妙なことはたくさん起こる。そして、アダム・サンドラーは相変わらず「何か精神的な疾患」もしくは「発達障害」を抱えているのではないかと思わされるような役なのだが、PTAの奇妙な世界のせいか(BGMも奇妙な音)、さほど気にならない。さらにいえば、エミリー・ワトソンの役も不気味であった。ヒロインも思い込みが激しく(一目惚れってそうなんだけど)、不気味なので、ぶっきーとぶっきーのラブコメなので良かったのか。また、PTAにしては短めの作品で極めてテンポがいい。それもあるな。
バリーが金を引き出すのはSanwa BankのATMではないか。今思えば、元気だったよね、日本企業。ハワイでは着物姿の行列。よさこいかなにかっぽい。いけてたよね、日本。空港での会話のうらで日本語アナウンスが聞こえる。今なら、ハワイでも中国語なのではないだろうか。
思うのだが「クール・ジャパン」とか「萌え」を売り始めたところからださくなってしまった。アングラはアングラでアングラとして広げるべきだったのだ。受けるところには徹底的に受ける。ニッチに熱狂されるのだが。アングラをメジャーで押そうとすると、その受けるべきニッチ層が引いてしまうのだ。