危険な関係

スポンサーリンク

2012年

1931年の上海。
莫大な資産を持つ富裕層がパーティに明け暮れる享楽的な生活を送っていた。
女性実業家のジユは自分を捨てた男が年端もいかない少女と婚約したことが許せず、裕福なプレイボーイのイーファンに少女を寝取って欲しいと持ちかける。
しかし百戦錬磨の彼が目を付けたのは、亡き夫の遺志を継ぎ奉仕活動をしている貞淑なフェンユーだった。
2人は、イーファンが彼女をベッドに誘い込むことに成功すれば、ジユはイーファンのものになる。
失敗したら、イーファンの土地がジユのものになるという、淫らで恐ろしい賭けをする。
3人の間で繰り広げられる危険に満ちた愛の駆け引きの行く手には、予測をはるかに超えた衝撃的な結末が待ち受けていた・・・。

感想

めずらしい。勧善懲悪になっていない。

悪女モーは最後に慟哭したが、唯一の友を我が手で葬った悲しみだけではないか。支配されたくないというモーはおそらく夫も自分で殺したのではないか、と感じさせる女だ。「手が血まみれになっていても笑顔を見せるわ」という女。なんてセクシーなのだろう。離婚はセシリア・チャンという個人には不幸だったかもしれないが、女優セシリアとしてはよかったのだろう。

ああ、久々にうまい演技のセシリアを見た。結婚前のセシリアは香港の若手トップ女優だったけれど、離婚して復帰後のセシリアにろくな作品がなかった。本作で久々にセシリアらしい仕事を見た。最近のセシリアの声を聞いていないけれど、セシリアは地声だったのだろうか。セシリアってばあの顔でアヒル声なんだもの。笑うところはセシリアのガアガア声だったけれど。違和感がなかったので、地声?低音で魅力的。

チャン・ツィイーに迫力がなく、この組み合わせならば淑女のツィイーと悪女のセシリアではなく、悪女のツィイーと淑女のセシリアの方が良かったと思う。

セシリアは魅力全開なのに、ツィイーがよろしくない。本当によろしくない。あれではプレイボーイが本気で愛する女にはなれそうにない。ウォン・カーワイはツィイーを本当に魅力的に撮る。

チャン・ドンゴン
ストーリー上、ファンが愛したのがフェンユーだというのがわかるから上のように「愛されるのは中国」と書くのだが、見ているだけではどうしてファンはフェンユーを愛しているのか、そもそも、フェンユーを愛しているのかすらわからない。最後のやぶれかぶれも足りない。

最近レスリー病にかかってしまったせいで普通のプレイボーイでは物足りない・・・レスリー・チャンならどう料理しただろう。終盤までもっと軽やかで、フェンユーと関係を持ったあとから演技をがらっと変えるかな。そちらの方が劇的だから。
「褒美をくれないなら、君を破滅させる」というのは韓国映画らしいと思った。

1930年代上海ものだが、セシリアにもツィイーにもチャン・ドンゴンにもノスタルジーさも感傷さもないのが良かった。が、1930年代上海ものの罠にかかったのは監督だったらしい。編集が甘すぎる。

危険な関係

危険な関係

チャン・ツィイー, チャン・ドンゴン, セシリア・チャン, ショーン・ドウ, リサ・ルー, キャンディ・ワン
4,514円(06/10 02:43時点)
Amazonの情報を掲載しています
タイトルとURLをコピーしました