こわれゆく世界の中で

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ロンドンのキングス・クロス再開発地区。そのプロジェクトを担う建築家ウィル(ジュード・ロウ)は、ドキュメンタリー映像作家で美しい恋人のリヴ(ロビン・ライト・ペン)と、彼女の娘ビー(ポピー・ロジャース)と一緒に10年間家族同様に暮らしている。だが、リヴは心の病を抱える娘を持つ罪悪感から、心のどこかでウィルを拒み、距離を保っていた。お互いを強く愛し、惹かれあっているのに、心が触れ合えない・・・そんな閉塞的な状況の中、それぞれがそのことには触れないように生活を続けていた。そんな時、ウィルのオフィスに窃盗事件が起こる。新設したばかりのオフィス内にあったパソコン類一式が全て盗まれていたのだ。危険な地区にオフィスを構えたほうが悪い、とでも言いたげな警察の態度に業を煮やしたウィルはビジネスパートナーのサンディ(マーティン・フリーマン)と、夜のオフィスを自ら張り込みすることに。ビーのことでリヴとの仲がギクシャクしがちなウィルにとって、家を離れられることは救いだった。数日後の夜、見張りをしていたウィルは、オフィスに侵入しようとする少年の姿に気づき、後を追い、彼が住む共同住宅をつきとめる。そして、少年の身辺を探るうちに、少年の母親でボスニアから戦火を逃れてきた未亡人のアミラ(ジュリエット・ビノシュ)と言葉を交わすようになる。アミラの語る自らの過去や夢などを聞いているうちに、ウィルは彼女に心魅かれてゆく・・・。

Breaking and Entering 2006年

感想

監督はアンソニー・ミンゲラ。

ミンゲラらしい甘い物語ではあるのだが、ミンゲラは甘い物語の中にいつも強い緊張感を持ってくる。そのせいか、私はミンゲラが嫌いになれなかった。今回は、ボスニア紛争、イギリスの難民問題を背景にして、別れるに別れられない恋を描いた。

誰かと出会ったら、別の誰かと別れなければならない。愛も絆ももうなくなっていて、惰性があるだけでも、相手を傷つけるのはつらい。だから、ずるずると二つを引きずってしまう。ビーとリヴの強い絆の中に入り込めないと感じている(だからといって、ビーを邪険に思うわけではないのだが)ことから始まる不安、そして次に出会ったアミラはその息子の犯罪がきっかけだったから進むに進めない。だから、アミラを手放し、リヴを選ぶ。

男の浮気って、そんなものなのかもしれない。

ミンゲラらしく、BGMは最高。

目的はもちろんハリネズミ、じゃなかったマーティン・フリーマンだ。
ウィルの仕事上のパートナーのサンディ役だ。今回はひげもじゃ。やっぱりハリネズミだ。

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ジュード・ロウ
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