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天地に問う~Under the Microscope~

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お話は

幼い頃に火事で両親を亡くした帥家黙(シュアイ・ジアモー)は、計算に誤りを見つけると正さずにはいられない、“算術バカ”と呼ばれる風変わりな天才。ある日、帥家黙は官府の帳簿から賦税の誤りを発見する。
それは、8つの県を所轄する金安府の下に置かれている仁華県のみが「絹糸税」という他の7県が収めていない税を100年以上に渡って負担させられ続けているという衝撃の事実だった。
“数字は嘘をつかない”という強い信念を持つ帥家黙は、この不正を正すため、親友の豊宝玉(フォン・バオユー)とともに、得意の算術で民の苦難を除こうと奮闘する。そして、謎を追う中、帥家黙は両親の死の真相に迫ることとなる─。

显微镜下的大明之丝绢案 2023年

感想

慶余年」のキャスト多すぎ。慶余年2の予定で張若昀の予定を押さえたら、脚本の検閲が通らず、パターンでしょうか。

王侯貴族の物語ではなく、庶民(に近い人たち)の話。小悪党だらけ。

張若昀は今回は算術の天才帥家黙。演じ方がASDかな、サヴァン症候群かな、みたいな。サヴァン症候群は「レインマン」で有名なやつ。ASDとサヴァン症候群を同時に持つこともあるっぽいけどよく知らぬ。

元ネタは徽州絲絹分担紛争という、実際にあった事件らしい。帥家黙は帥嘉謨、程仁清は程任卿。四声までは調べてないけど、音そのものは二人とも同じだろうな。

二人の関係はドラマの通りというわけでもない(例えば「絲絹全書」はそもそも程任卿の著作)のようですが。詳しくはこちらを↓

中国訟師ドラマ「天地に問う」を観る|webちくま(筑摩書房の読みものサイト)
✑夫馬 進 伝統中国で人びとの訴訟を助けた「訟師」。最近DVD化された中国歴史ドラマ「天地に問う~Under the Microscope~」でもその活躍が描かれています。今年4月に刊行した『訟師の中国史』の著者・夫馬進さんに、ドラマと史実...

程仁清のような人を訟師と呼ぶらしく、この本を読まなくては。上のちくまにリンクがある論文までは読んでみた。生員=学生で、いろいろやるんですね、この人たち。豊宝玉が帥家黙のために奮闘するのも、そういう背景があるのかなあ、と思ったり。

徽州は安徽省の「徽」。江南の水郷地帯の一つなんでしょう。中国の動画サイトにいっぱい出てくる。絲絹とは、絹織物っぽい。上のちくまの夫馬先生によると「人丁じんてい絲絹(絹織物)とよぶ人頭税」。

現代では「絹絲」で絹織物製品全般を指すこともあるんじゃなかったかな。絲綢だと、絹。

ところで、なんでこんな話をしてるかというと、蘇州に行った(シルク博物館にも行った)のもあるし。この本↓読んで、明だと安徽省を含む長江下流域は絹製品の一大産地になってるなあと思って。発展するのは清になってからみたいだけど。

ところでね、この本↓を読んだんだけど、絹が出てくるんですよ。「中国史全体を通してみると、漢代以来、地域間決済手段としての役割をはたしてきた物品貨幣である絹」とか。

超絶はしょるけど、「絹や米など特定の物品が額面を持たずに計量されて貨幣として働く場合もある(物品貨幣)」、(唐では)「遠距離移動に携帯する支払い手段は絹であった」、(明では)「この民間での銀建て取引の普及が、同時期に進行する賦税と徭役を銀納化で一本化していく一条鞭法施行の背景にあった」

出てきた、一条鞭法!ちくまの夫馬先生にありましたよね。「ちょうど鉄拳宰相の張居正が一条鞭法を全国に実施しようとしていたとき、たまたま内閣戸部尚書(財務大臣)であったのは歙県出身の殷正茂であった。」

殷正茂は張居正の同輩だと百度に出てきた。1581年一条鞭法。1570年が徽州絲絹分担紛争の一番初めです。殷正茂は70年代から83年に弾劾されるまで、浮き沈みが結構あるようで。82年に張居正が亡くなることもあるでしょうけど、徽州絲絹分担紛争も理由だったのかな…

でね、話が脱線してるのを元に戻すんだけど、何を思ったのかというと。一条鞭法の全国的な実施前の安徽省周辺って、絹の生産地だろうから、絹織物での納税も認められていたのかなあ…だから「人丁絲絹」かなーと思ったの。

「訟師の中国史」を読んだら出てくるんじゃなかろうかと思うのだが、まだそこまで行ってない。杭州から帰ってきてからだな。

で、もう一つ、小枝が豊宝玉に、「我が家は元はもっと広い田んぼを持っていた。でも、徭役で伯父と従兄を取られて我が家の働き手は父だけになってしまった上に、二人とも徭役中に死んでしまって税が払えない。手放せば元も子もない、借金して〜」と説明するシーンがあったじゃない。一条鞭法前ならそうなるのね…と思ったわけです。

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