運命の恋を夢見る男の子と、真実の愛なんて信じない女の子の、ビタースウィートな500日ストーリーサマーに恋をした、最低で最高の500日。建築家を夢見つつ、グリーティングカード会社で働くトムは、秘書として入社したサマーに一目惚れしてしまう。意気投合し、いいムードになった二人。トムがサマーに「彼氏はいるの?」と聞くと、サマーの答えはノー。恋愛と友情の間に果てしなく広がるグレーゾーン。人を好きになるって、どうしてこんなに楽しくて切ないんだろう。誰もがまた恋したくなる、二人の(500)日がはじまる!
(500) Days of Summer 2009年
感想
監督はマーク・ウェブ。
勘違いの恋、一方通行の恋に身に覚えはないだろうか。トムの恋はサマー相手の一方通行の愛だ。お子様だ。
サマーはトムを一刀両断するのだ。「私も運命を信じるけれど、それはあなたではない」
残酷だ。コンフォートゾーンにいて出ようとしないトムをむりやりそこから出すのだから。出す、というよりも、トムのコンフォートゾーンを破壊するのだ。全てはトムを自分から引きはがすため。自分から引きはがし、自分ではないトムの運命の人に渡すため。残酷だが親切なのだ。ただ、された方はとてもではない。けれど、トムはなんとかそれを受け止めた。グリーティングカードに安っぽい言葉を連ねるのがトムのしたかったことではない。トムは建築家になりたかったのだ。
ズーイー・デシャネルのサマーはビッチだ。ビッチだけれど、計算ずくの小悪魔ではない。無意識に行う小悪魔だ。最強。
ニューヨークかロンドンを舞台にした物語はおしゃれだし、SFを舞台にするとポップな印象がある。本作はおしゃれでポップなのだけど、舞台はLA。私には何となく軽薄か無骨な印象のある場所で、今まで見たLA舞台の作品の中で一番キュートだ。