公開した週に観に行く予定が、仕事がバッカスッカ入ってしまい。見損ねるところだったけれど、広州に行く前に、川崎チネチッタにて。間に合った〜。
九龍城砦(きゅうりゅうじょうさい)――かつて無数の黒社会が野望を燃やし、覇権を争っていた。
80年代、香港へ密入国した若者、陳洛軍(チャン・ロッグワン)は、黒社会の掟に逆らったことで組織に追われ、運命に導かれるように九龍城砦へ逃げ込む。そこで住民たちに受け入れられ、絆を深めながら仲間と出会い、友情を育んでいく。やがて、九龍城砦を巻き込んだ争いが激化する中、陳洛軍たちはそれぞれの信念を胸に、命を懸けた最後の戦いに挑む――。
九龍城寨之圍城 2024年
監督は、ソイ・チェン。
えーと。
たまらん。ルイス・クーがこんなに色気ダダ漏れとは知らなかった。いやああ、もううう。
そしてフィリップ・ンのやりたい放題っぷり。フィルちゃん〜。ガウちゃんは健康優良児なんですかね?こっちもたまらんかった。
コメディタッチのアクションに至るストーリー展開、怒涛のアクション。良いっすねえ。
最後に竜巻が出てたけれど、「龍捲風」が中国語でトルネードと知ったのはこれよ↓ただ、機内映画で見たときには、サイクロンになってたwww
機内での字幕は一時が万事そんな感じで。信一はソンヤッではなく、シンだったような。「ヤッ」がかわいいのに。劇場公開版の字幕の出来はすごく良かった。これ、谷垣さんが監修に入ったからかな?
密航者として香港に現れる陳洛軍は、どこから来たのかははっきりと描かれてなかったけれど、海を渡ってる。79年に香港は国連によって、という説明が入ることで、ベトナムからのボートピープルだということがわかるよね。そういや80年代のニュースには「ボートピープル」って単語が出てた。俺さま、幼女だったのでなんなんかよくわかんなかったけど、ボートに乗った人の画像がテレビニュースにあったのよ。
80年代はもう、大昔のことになってしまったよね。で、そんな時代のことでも武侠仕立てできるのかーって。
だって、武侠なのよ、このストーリー展開。
本人も知らなかったけれど、実は…というのは前の皇帝や国王の遺児、もしくは前の皇帝や国王に忠義を尽くした将軍の遺児、という一種の貴種流譚と見ることもできるし。
どっちかというと、顔も知らない父親のことで命を狙われる陳洛軍は、父親にそっくりなせいでびっくりされたり揉め事にまきこまれる、楊過みたいだなって。じゃあ、小龍女は誰だよって話だけど、楊過は郭靖に拾われても黄蓉と郭芙にいじめられて家出するでしょ?信一たちが郭芙になりそうなのにならなくて仲良くなっちゃう。だから九龍城砦(=桃花島)から出なくて済むので、小龍女に出会わないパターン。ほらー。射鵰・神鳥じゃん。金庸じゃん。
一方、郭靖は明らかに龍捲風で。楊康は黄蓉の着ていた鎧?の毒にあたって死んでいくので、郭靖黄蓉夫妻は父親の仇(たって、ねえ。楊康だからねえ)と言えなくはない。
父親や師父が自分を助けるために死んでしまい、仲間と共にその敵討ちをするというのも手垢のついたストーリー展開であり。
意味不明な術を繰り出してくるラスボス(王九)というのは、ゲーム的な展開だけど、武侠ものでもよくある。
本作のひねりは、「九龍城砦生活安全委員会」を自称する龍捲風ですね。陳洛軍は「俺はそんな奴知らん!」と見たこともない父親を拒絶し、父親を殺した龍捲風を慕う。これが、前近代の中国を舞台にした武侠だと難しい表現かな。「儒教は!?」ってつっこむよね。
そっちのパターンだと、龍捲風が敵だと思っていた相手で。その人を倒したら、もっと悪い奴が出てくるパターンは結構あるわけよ。それこそ、笑傲江湖みたいに、恋人の父親を助け出したらそいつがとんでもないやつだった、とか。
サモハンだから、そっちに行くのかと思ったら、本作はそっちの方向に向かわなかった。まあ、もっとやばいガウちゃんが出てくるけど。
陳占本人が「俺が死んだら妻子逃してくれ」と龍捲風に頼んでて、(おそらくベトナムに)母子を逃したのが龍捲風本人だったこと。
…びーのえるが見えた人、俺だけじゃないよね。龍捲風…未亡人じゃん…しかも自分が愛する人を殺さないとならなかったパターン…好物すぎる…
…楊康没後の郭靖…
30年前をそのまんま演じるルイスとリッチー・レン。リッチーは30年前を演じるにはちょっと老けすぎかな…
かくしゃくとしたおじいさん役に本物のおじいさんを持ってくるわけにはいかなかったんだな、と龍捲風を50代のルイスが演じることに理由があったなーと思うけれど。
いやさあ、色気ダダ漏れよ…みんなメロメロになってんじゃん。
あ、ヒロインが龍捲風なのか…龍捲風総受け。
で、本物のおじいさん、サモ・ハン。さすがよね…痛そうだったけど。
陳洛軍を演じるのが、林峯。この人45なのよ。フィルちゃんの方が肌艶良かったけど、この2人は同世代。フィルちゃんの方が上かな。
それでさ。林峯は林峯で良かったと思うんですよ。しっかし45だよ、この人も。まあ、さあ、80年代の、ボートピープルとして日焼けして、苦労してきた人だから、王九みたいな気功の美容法(?)してないから老けてるわよね…と。
でも、おそらくその年齢に近そうな信一を演じるテレンス・ラウ…たっても、88年生まれかよー。37かよー。香港人、30歳くらいまで子どもみたいな顔してる人多いけど。(その後、一気に老け込む。日本の30代・40代が童顔に見えてくる)若い男の子たちがメロメロになってたわけではなかったwwwおじさんたちがおじいさんにメロメロになってたわけだwww
と頭の中がトワイライト状態で。広州だったわけよ。
…行っちゃうよね、香港エアサイド。広州から香港に行っちゃったわよ。羅湖経由で。平日限定かな、ぴゅーっと往復できた。(ただ、中国からの香港往復なので、ホテルも中国発の帰りのチケットもなかったら入国拒否されてたのではないかと思う。英語も中国語もできない人にはお勧めしないルート。香港からの中国日帰りならこういう問題はないと思う)
・香港と中国の国境。今でも深圳の羅湖口岸経由が速いっぽいよ [2025年2月 広州・香港]









チャーシュー飯も食べた。
そして、今の「九龍城塞」は公園です。2014年に行った。九龍塞城公園は、昔を思わせるようなものはほとんどない、木の多い公園