平安時代。藤原道長はその栄華をさらに永遠のものとするため、娘・彰子に帝の血を引く子を宿すべく、一人の女性に命を下した。「捕らえるのだ、帝のお心を。そなたの書く物語の力で、わが娘、彰子の元に一時でも長く帝を留め置くのだ。それが出来るのはそなたしかおらぬ!」道長への思いを深く心に秘めながら式部の紡ぎはじめた物語・・・帝の子を身ごもった桐壺更衣。第一后・弘徽殿女御は彼女に深く嫉妬し、その“念”で桐壺更衣を亡き者とした。しかし、子は無事にうぶ声を上げ、光源氏と名づけられ、藤壺中宮に大切に育てられた。やがて光は宮中の女性すべての心を奪うほどの絶世の美男に成長する。養母・藤壺への深い愛を抱きながら、大人の色香を放つ六条御息所、つつましやかに光を包む夕顔、そして正妻・葵の上との交わりの中でやがて光源氏は女の心の奥深いところに棲む嫉妬という名の魔物に追い詰められはじめる・・・。
2011年
感想
監督は鶴橋康夫。原作は、高山由紀子の小説らしい。
私のお気に入りこと、頭の中将を演じた、尾上松也の軽さ!体はぶくぶくなのに、なんなの!?
というだけで、かなり微妙です。
東山紀之が大昔光源氏をやった、源氏物語を子供の頃に見てこっちの世界に入っちゃったわけで、その東山紀之が、光源氏のモデルの一人だろう藤原道長として出てくるのが、よろしいんですが。
六条御息所という、特異なキャラクターと紫式部本人を重ねるのも、なんだかな。
私的に、紫式部と道長は寝てないからこその源氏物語であろうと思うんですのよ、あれは。
それに、道長って、あの時代の貴族にしては女性関係には比較的潔癖な方ですし。子どもを産んでくれそうな人のことは書き記すのではないかと思うんですよ。子ども(特に娘)が大切な時代ですから。本人が御堂関白記に書かなくても、実資が小右記に書きそうです。清少納言だって、行成の権記にある「少納言命婦」ではないかという説もありますしね。
話題の物語の作者が、道長の愛人なら、あの人たちが書くんじゃないの?
それに、道長の政敵だった伊周だって、明らかに光源氏のモデルの一人ですし。須磨に流れていくところなんて、すごく同情的じゃないです?しかも、復権して最後は太政天皇ですよ?
御息所は強烈だけど、朧月夜はどうなったんだ!?あの人とも大変よ?御息所だけ?
というわけでさ。多分原作者との解釈違いが大きすぎて、見るのが大変でした。