奪命金

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世界は今、金融取引(デリバティブ)によって大きな不況の中にはまりこみ、出口を見いだせない地獄の中にいる。だが、人々は金を手に入れたいという欲望にかられ、投資やギャンブルで一攫千金を夢見、そして天国か地獄のどちらかに足を踏み入れることになる。そんな人間の金に対する欲望から起こる事件に巻き込まれる男女を、世界の金融都市のひとつである香港を舞台に描いたサスペンスドラマである。

奪命金 Life Without Principle 2011年

感想

監督はジョニー・トー(杜琪峰)。

いまいち、乗れない。評判は良かったのだが。
比べてしまうのが「ドリームホーム」、「盗聴犯(インサイダー取引の方)」だからだろう。

本作は一種のハッピーエンドなのだが、勧善懲悪ではない。テレサは金を着服するし、パウは自分の金ではない金で勝負した。私には共感できなかった。コニーとチョン警部補のところだけはまし。

これは中国式の勧善懲悪物を見慣れてしまったからなのだろうか。
コンゲーム物は大好きだ。悪人が勝つ物語で構わないとも思う。しかし、本作は後味が悪い。それは小人物を描いたからかもしれない。

テレサは誠実な銀行員ではない。テレサは金を老女にやったのだろうか。まさか。
パウは誠実なヤクザだ。言い換えれば、気のきかない小物だ。利益はソンに渡しただろうか。まさか。
コニーは後先考えずにマンションのことしか頭にない。50万ドル稼いだことを自信にしてまたマンションを高値づかみするだろう。次は利益の50万ドルを手付金にするだろうけれど、今度のマンションは警部補の夫にはきつい額の住宅ローンになるだろう。

今回の利益はラッキーだった。しかし、続く物ではない。続くと思い込み、破滅するのだろう。この破滅が見たかったんだな、と思った。だから「盗聴犯」の方が好きなのだろう。

ただ、テレサのパートは、だから営業って嫌なんだよなあ、と思わされた。幸い営業をせずにすんでいるのは僥倖かもしれない。このパートの出来が一番良い。ばあさんも不気味だし。
パウのパートは一番ジョニー・トーらしい。ラウ・チンワンの瞬きの演技がチックっぽかった。チックの人をもう少し研究すれば良かったのに。この人が本当は決して人が良い人ではなく、小心者で親分を裏切ったらどうなるか、という計算高さだけで義理堅く、死人の金を奪うような人だ、という不気味さがあれば良かったのに。
コニーとチョンのパートはジョニー・トーのラブコメからコメディ部分を抜いた感じ。けれど、一番現実的なのはここかな。

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