夜間清掃員の青年が、夢遊病の少女に恋をした。青年は少女と一緒に夜の街を歩き回るが、少女は目が覚めると何も覚えていない。あるときビデオカメラを持って眠った少女は、起きてビデオにいつも同じ青年が写っているのを発見する…。妻子持ちの雑貨屋の店主ヤッピンの前に、偶然、昔の彼女が現れた。以前、結婚を目前に怖気づいたヤッピンが、彼女から逃げ出したのだった。その後彼女は幾度となく店にやってきて、何も言わずコーラを飲んで帰っていく。果たして、彼女の思惑は?
初纏恋后的2人世界 First Love: The Litter on the Breeze 1997年
感想
監督はエリック・コット。
エリック・コットは語り始める。「初恋」という映画を撮影しおえた後だ。金城武の演じる役とリー・ウェイウェイの演じる役が二転三転したこと。清掃員と夢遊病の少女の物語に落ち着いた。
エリック・コットはウォン・カーワイの魔の手がこれで終わらなかったことを告げる。
エリック・コットはカメラの前で泣き始めた。
で終わるんですけどね。
「天使の涙」あたりを狙いたかったのだという意図はわかる。金城武のキャラクターが頭のねじが一つ抜けた感じがまんま「天使の涙」だ。
けれど、ひどく面白くない。
ストーリーテリングが下手、そして「失敗作」とエリック・コットそのものが認めているのがいけない。出すなら堂々と「これが俺のベストだ」と胸を張ればいいのだ。「失敗作なんだけど」と言って「いやいやそんなことはないよ」と言って欲しいのだろうか。あざといな。そのあざとさが鼻について嫌になってしまった。