彼女の恋は止められない!! 愛し、愛され、幸せ一杯の結婚生活を送っているはずだったジョリーン。しかしある日突然、夫カールが行き先も告げず出ていってしまう。だが彼女はあきらめない。彼から届いた砂漠の絵ハガキと消印のみを頼りに車で南に突っ走る。苦労のすえ、遂に彼を見つけるが、彼が見知らぬ女の家に泊まるのを目撃してしまう。果たして彼がジョリーンの元に戻ってくる日はあるのか?!
Committed 2000年
感想
監督はリサ・クリニューガ。
「約束を守る」というのが、Committed。
ケイシー・アフレックは可愛い。兄よりも美男だと思うのだが、兄の影に隠れがちだ。ちょっと損をしていると見るのか、兄やその彼氏親友のおかげで役を貰えていると見るのか。少なくとも今回は兄貴たちは出てこない。
ヘザー・グラハムといえば「ツインピークス」のラストに出てくる人だったり、「ハングオーバー」のヴェガスの娼婦なのだが、可愛いのだけどちょっと足りない役ばかりしているイメージだ。今回は結構飛んでいる。
Committed という語は教科書的には「傾倒する」と訳されるが、神が関係するような、それも日本の八百万の神々ではなく、一神教の唯一絶対の神にかけるような、真剣な関係だ。日本語の感覚では適切な言葉がない。ポスターや「ノンストップガール」というタイトルのせいで、痛い女の話のように見えてしまう。初見では「痛い」話と記憶していた。確かに、ヘザー・グラハムの演じたジョリーンはちょっと足りない、痛い女でもある。ただ、その「痛さ」はおバカとはほど遠い、信念なのだ。真剣なのだ。冒頭の車泥棒に対して金を渡したように、ジョリーンは「自分に誠実でありたい」人なのだ。
どうしてもオーバーに描かれているから、ジョリーンは空気を読まない、読めなさ加減は何らかの精神疾患や人格障害でも持っているようでもある。また、バランスをとるためなのか、精神病院に強制入院させられる。頭からっぽな人ではないのだが、「相手がどう考えるかは別」というおせっかい加減はそばにいると個人的には嫌だ。
ジョリーンに運気を吸われるからといって去ったカールは、ジョリーンがいなくなるといないからどんづまり、と思ってジョリーンのいるニューヨークに戻ってくる。けれど、ジョリーンはカールを拒絶する。それも、強烈に。そのシーンだけは面白かった。
エルパソは私の知る「アメリカ」とは全く違うところのように見える。