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風林火山

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んー。雰囲気映画というか。カットカットがなんかそれぞれの俳優さんのプロモーションビデオっぽい。それを繋ぐだけで8年もかけやがったのか…贅沢だな。

西安旅行中に見ました。チケットの買い方などはこちらに書きました。https://kokontouzai.org/movies-in-china/

さて、風林火山。香港映画を見慣れた人に言うならば、「ノワールを王家衛風に撮影してみました。でも、麥浚龍(ジュノ・マック。本人も出てるよ)らしく、ホラーテイストです」。

しかも、悪い意味で。

カットカットの「ゴージャス」さも、8年も経ってしまえば、カビ臭く感じる。そもそも94年だもんな、舞台が。ダサくてしょうがないか。

キャストはやたらと豪華だけど、金城武以外は、高圓圓まで含めていつメンすぎるわね。

情報を前もって入れなかったけれど、メインキャストのトップバッターは劉青雲で。出てきただけであくびが出るほど食傷気味。びっくりするような演技をしてくれれば変わるけど、まーたおんなじような演技じゃん。それは演出のせいだとも言えるけれど。劉青雲の出演シーンがこんなに長いと知ってたら、見に行かなかった。こういうキャスティングをするから、香港映画は終わったと言われるわけで。お客さんを持ってる人をキャスティングすることで、たとえば日本でも公開できるだろうけど、しかし、新たなスターが、ねえ。

確かに高圓圓がファム・ファタールを演じるのを見るのは初めてだなあと思う。ただし、香港映画らしいと言えばそうだね、な「ファム・ファタール」像から脱しない。94年の香港は……日本を除いた東アジアの中では大変スタイリッシュで文化的なところだった(はず)なのにね。それが現代ではかなり保守的な香港の描き方だといえばそう。そこもまた、キャスト同様に古臭さを感じてしまう。94年が舞台だというのは言い訳にしかならないよ。いくら94年が舞台でも、下に書くように、スマホ型携帯電話にワイヤレスイヤホン出してくるんだから。

今回もルイスのパートに若い女の子がいるんだけどねえ。新鮮さがないなあ。

それが公開までに8年もかけた弊害かもしれない。8年でカビが生えちゃった。

中国では国慶節映画の一つとして公開されたけど、中国では割にこけてたみたい。最近見てるのが、尺をたっぷり取れるドラマ(中国ドラマなので、さすがに全80話なんてことはなくなっても、全30話くらいはある)で。お金を割にかけて練ってる脚本のものは伏線も丁寧に回収するし、誰にでもわかるように語り尽くすところがあるんですよ。

少なくとも今の中国人は、こういう、絵としては綺麗だけど、意味不明(!!)なものを受け入れないんだな、ということ。私も同じく。感性の違いだわね。

今回見た場所は西安。西安旅行中です。興行成績が圧倒的に悪いので、次の週まで持ち越すと、もう便利な時間にはやってない可能性があるなーと思って、早めに行きました。普通話。別の記事もしくは別のサイトで、中国で映画を見る方法を書く予定でいる。そのときにはリンクする。

1994年の香港を舞台にしているのだけど、銅鑼湾に雪が降るんですよ。そこでおかしいと思った。これ、パラレルワールド系だと思う。なんでかっていうと、スマホ型の携帯電話に見える物を使ってる登場人物、ワイヤレスイヤホンに見える物を使ってる登場人物がいるんですよ。その割に、古天楽(わっかいのよ!)が使ってる電話の「美しい」こと。電話というと、ガラガラの劇場で。斜め前に座ってた人が携帯を使ってたんですよ。途中で出て行ったんだけど、その人は。なので、その人の携帯が鳴ってるのか、劇中の音なのかいまいちわかってない。

コアのお話としては「1994年香港。製薬会社の創業者が実は違法薬物を流通させていて、莫大な富を築いていて、今警察の監視下で病院に入院中。跡取り候補は二人。長男は違法薬物関連で消えている。次男は恋人の精神科医兼薬剤師をパートナーに、合法企業へと生まれ変わらせたい。しかし…」です。

で、なしてタイトルが「風林火山」よ??…と思ったの。ジュノ・マックで金城武が武田信玄!?!?んん?と頭がボケてたのだが、武田信玄の元の言葉は孫氏の兵法由来だったもんね…そう。「やるならさっさとやれやい、徹底的に。静観すべきときにはじっとしろやい、徹底的に」ということで。確かに登場人物はみんな「徹底的に」行動してる。そして…なのだね。

ジュノ・マックなので、最後に「キョンシー(どうも書いてない模様)」の時みたいなひっくり返し方があるのでは?とおもってたんだけど、最後の最後が理解できてない。高圓圓、勝ったんじゃないの?それとも、お薬ものということで、誰かの妄想落ち?

あの世?

なんかそんな感じ。

欲望の翼」のラストに唐突にトニー・レオンが出てくるけど、あれは次の物語の予告編になってて、「花様年華」でしょ。あれは公開当初に見せられたら、わけわかんね?になるだろうけど、今回のラストはあれ以上のわけのわからなさ。何が起きたの?もうどうでもいいよ。

でも、90年代が舞台のノワールに女の精神科医が出てくるとそれだけで、ケリー・チャンを思い出すよね。

西安で見たから意味不明だって言ってるんでしょと言われそうなので、いくつか書いておく。

中国で中国語映画なので、字幕(簡体字)が出てます。これは中国ドラマ同様の仕様。なので聞き取れなかったから理解できないというわけではない。普段は1.25倍速で見てるくらいだし、簡体字で書かれた普通話のセリフを読むのも割に慣れてて、逃したわけではないと思う。ただし、ダブルミーニングのセリフを理解できてるかというと、そんなハイコンテクストなことは無理だから。その問題はある。そしてダブルミーニングになってるセリフの、粤話(=広東語)から普通話への翻訳のクオリティの問題。

見たのは普通話だから、吹替版ですから。

その割に金城武は自分で声を入れてるような気がしたんだけど。彼の声はちょっと独特よね。実は、粤話版も西安では見られたのよ。現在ではど田舎(だなとつくづく思う)西安ですら粤話版を上映していたということは強調しておきたい。

風林火山

粤話版があるのに、普通話版を見たのは、粤話版は時間と場所があんまり合わなかったからでねえ。いくら劇場もホテルも地下鉄の駅が近いからと言って、外国で日が暮れてから出歩くのは好きではない。今回の劇場は、ホテル最寄りの映画館の一つだったので。

そして、中国版ということは、中国の検閲を通ってるわけです。つまり、インターナショナル版・日本の映画祭版とは(特に)最後の処理が異なってる可能性がある

さらに、みんな、というか姉さん含めて3組しか見ていなくて、1組(一人)が途中で出ちゃって、もう1組もエンドロール中に出ちゃって。お掃除が入っちゃったんでエンドロール中に出ることになったので、その後に何かがあってもわからんのよね…この2点だけは「中国で見たからなんでしょ」というのは確かその通り。

で、日本語字幕がついて、日本公開(されるんじゃないの?)見に行くかというと、それはない。わかんなかったというのは確かだけど、私にとっては文脈を探りたくなるようなわかんなさではなくて。上っ面だけをなぞってるよね、イメージビデオを繋ぎ合わせただけで、だからなんだ??というわからなさだから。交通費も時間もかけて見に行くような価値は感じない。配信でもどうやろ。機内映画で他に面白いものがないなら見るかもね、くらいのローテンションぶり。今回は、夕方の上映で、ホテルの近くで見られたから、見たけど。粤語版をホテルから遠い映画館まで見に行かなくて良かったなと思った次第。まあ、感性の違いということで、ヨロ。

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