検事ファン・シモク(チェ・スンウ)は幼い頃に脳の手術をして感情を失ってしまった。日常のように目の当たりにする検察の内部不正を断ち切ろうとしていたシモクの前に、現れた第一の死体。その後、相次ぐ第二、第三の死体。検察の内部不正を覆い隠すために相次いで起こる殺人の中で、周りの人すべてが殺人の動機を持つ容疑者として次々と浮上する。時には全員が犯人のように、時には全員が無実であるように感じられ…。
2017年
感想
そういえば、初めて韓国のノワールドラマを見たかな。
久しぶりに見たぺ・ドゥナが年相応の老け方をしていて、この人すごいなと。
韓国ドラマは、やはり女優が支えてる。
もう一人「きれいなおばさん」が本当に不気味で良いの。
チェ・スンウもほんのわずかな表情筋の違いで「感情を表せない男」の感情を表現できるのだから、これまた素晴らしい。
その違和感をひっくり返してくれるから、五話まで見て
初めの二話目までですごく気になったのは、雑な捜査手法と、雑すぎる証拠の扱いのこと。そのせいで危うく離脱しかけたんですけど、五話くらいまでは我慢しておくれ、ということなので、本当に五話・六話くらいまで見ておくれ。
各国の刑事司法(警察・検察)を扱うものが、決して現実の制度を反映していないというのは、あおりゃそうなんだけど、それにしてもあまりにも雑。
殺人現場を発見したファン検事が、初期捜査をするのだけど(壊れたテレビの発見)、なんと素手じゃない?ファン検事の指紋だらけじゃないですかね?
証拠の押収も(ドライブレコーダー)も検事が勝手に持って行ってポケットに入れるんですよ。なんなんですか、あれ。
再度事件現場に検事と刑事が行くけれど、そこでも素手。そして触る。そして触る。そして触る。
あのー、古畑任三郎でも走査線の中に入るときには白手袋をはめながら入ってたぞ…。
なにこのリアリティのなさ。とにかく、闇と戦うとか言いながら、それはないだろ。指紋ベタベタぞ?シャーロック・ホームズに怒られるぞ。
神は細部に宿らないのか…。
と思ったら、ちゃんとそこは突っ込んでくれます。
犯行動機は別として、怪しい人はきちんと怪しいとおしえてる
犯行動機はさておき、怪しい人はきちんと怪しい。
これが実行犯かな?と思った人は、ちゃんと実行犯だったし、黒幕もそう。
ただし、葛藤として扱ってしまうのがビミョーかなあ。
一番怪しいだろと思った、森口瑤子似っぽい「きれいなおばさん」はただおっさんが好きなだけだったというのにずっこけた。
2があるそうなので、きれいなおばさんの闇が見たい。
ミソジニーの薄さ
韓国サスペンスって、性犯罪ぎみで、ミソジニーの臭いが強いイメージを持っている。
男社会の中で違和感なく受け入れられる検事(ただし、父親の関係であの人は採用されないと思う)・刑事の描き方とか、現実的ではないというかもしれないけれど、不必要に描くと、そういうものだ、そういう扱いをしても良いのだという、悪い影響を現実に与えかねないのかなと最近の私は思う。