毎年、夏のバカンスをボルドー近郊のリゾート地で過ごす男女12人の仲間たち。ある日、バカンス直前に仲間のひとりリュドが交通事故に遭い、瀕死の重傷を負ってしまう。残りのメンバーは無惨な姿にショックを受け、今年のバカンスはどうしようかと悩むが、リュドに何かあったらすぐに飛んでいくことを約束しバカンスを決行する。しかし、素敵なビーチ、美味しい料理とワインを堪能するはずが・・・
Les Petits Mouchoirs 2010年
感想
監督はギョーム・カネ。
群像劇は好きだ。けれど、本作は失敗作。それも明らかな。まず長過ぎ、そして、キャラクターの描き方が足りない。
コメディロールは過剰反応するマックスと、メールを相談して回るアントワーヌか。それ以外はキャラクターの描き方の深みが足りない。二時間半は長過ぎる。エリックとアントワーヌは騒いでいるだけでもいいのではないかと。特にエリックは結局振られて「俺は年をとっても若い女を追い回す駄目男だ!」と叫ぶ程度で良かったと思う。
マリオン・コティヤールはフランス映画で見る方が生き生きとしている。英語の映画ではファニーフェイスのファム・ファタール。愛想のない顔をしていることが多いのに。フランス映画では実に表情豊か。ボートで飛ばされるところは本当におびえているように見えたのだが。見事な落とされっぷりだった。その後も死にものぐるい。
ブノワ・マジメルは本作で初めて見たと思う。目の感じが知人(最近うさん臭い方向に進み始めている)に似ていてなんだか嫌だった。丸焼きにしてかぶりつくとちょうど美味しそうな半端なマッチョなところも。マックスにうっとりというのは上手かったと思う。
そして、今いち理解できないのはリュドを放置し続け、一度マリーが電話をかけて、エリックが会いに行くだけなことだ。確かに、全員の中にはリュドを思う心があるだろう。それは、リュドのビデオを見ている様子からも分かる。けれど、なんだかな。これがフランス式なのだ、と言われればそうなのだろう。反論はできない。が、私は好きではない。
俳優陣は豪華なのだろう。だからなんだ?という感じである。マリオン・コティヤールとブノワ・マジメルの存在感は凄かったが、それ以外の人はいくら有名な俳優だろうが、おそらく思い出せないと思う。少なくとも、本作に出演していた、ということは思い出さないだろう。