るろうに剣心
今から約140年前――動乱の幕末。最強の暗殺者と恐れられ、<人斬り抜刀斎>と呼ばれた男がいた。あれから10年、いまだ乱れた世に現れた、ひとりの男。斬れない刀=逆刃刀で人を助ける、流浪人・緋村剣心。もう決して人は殺さない<不殺(ころさず)の誓い>を立てた抜刀斎だった。大切な人たちが平和に暮らせる時代を作るため、いま剣心の真の戦いが始まる――!
2012年
感想
面白かった。
監督は大友啓史。
久々に映画館へ行ったのだが、これは行って良かった。DVDで見るとちょっとつまんなかったのではないかと思うのだが、大満足だ。日本映画でこのスピードと殺気のアクションが見られるとは思わなかったので非情に嬉しい。スローモーションが多いのは日本映画だなあ、と思うが、効果的に使っていた。テンポもまさに香港映画を彷彿させるような小気味の良さ。アクションに細かいカットが多かったのはハリウッド並みだが迫力満点。テレビ出身の監督ということで正直期待をしていなかったのだが、見事だった。日本のテレビ業界も捨てたもんじゃない。
緋村剣心は逆刃刀で人を救い、佐藤健は逆刃刀で世界に切り込む
いつになくセンチメンタルな見出しをつけてしまったが、さて、佐藤健。この満足感はひとえにこの人のおかげだ。
この人はガムのCMでくねくね踊っているイメージが強く、線の細い今時の日本の男の子、という印象を持っていたのだが、まさかまさか。比較的低身長な上に筋肉があまりなさそうな華奢な体型が「剣心」によく合っていた。
「抜刀斎」モードの殺気とアクション。骨太じゃないか。跳躍の軽さ、斜め走り、キレッキレの殺陣。大きな大きな目で睨まれたら怖い怖い。一点だけ惜しかったのが「剣心」モードに少し力が入りすぎていたことだろうか。もっとひょろっと、もっとふわっと、くねくねしてた方が良い。「剣心」モードの滑舌の悪さというか舌足らずさはわざとなのだろうけど、いただけなかった。
キャスト
最近、香川照之ばかり見ているのではないかと思うのだが、屋台骨となる悪役に香川照之を持ってくるのは大正解だった。卑しさ全開。ただ、あごを前に出し、おそらく下の歯になにか被せているのだと思うが、それがとてもチープで良くなかった。ヒールのある靴をはいたヒール、なんてね。
吉川晃司は白目を黒く処理して不気味だった。ただ、こういう役は怪演して欲しいのにちょっと足りない。本業はミュージシャンだそうだが、怪演できる俳優さんを使って欲しい。一躍「怪優」の名を欲しいままにできただろうに。
江口洋介は斉藤一の藤田五郎にしてはさわやかすぎた。主演が骨太だが若い男子なので、さわやかな大人の男が一人ぐらいいても良いだろう。
問題は蒼井優と武井咲。主演の佐藤健が若いのだが、神谷薫は佐藤健よりも若くなければならないがしっかり者でなければならないので武井、高荷恵は薫よりも年上の女である必要があるので蒼井優、というところなのだろうか。
ところが、蒼井優はいつも以上に低音で喋っていたのは良かったが、ちょっと蓮っ葉な役柄にあまり似合っていない。「森ガール」イメージが付きすぎたのを払拭したいのはわかるのだが、不成功。もしくは、演出ミス。妖艶さが欲しいところ。
武井咲は目力があって、しっかり者の薫には似合っていたのだが、ちょっと子供っぽい声と喋り方があまり良くない。なんとなく「ふっふーん」とイオンのCMをしそうだった。
日本の若者よ、中華映画に進出しないか?
満足しているのだが、「花よりもなほ」で上手に力を抜き、かつ、きっちり怒りを表現できていた岡田准一でも見てみたかったというのが正直な感想だ。アクションもできるし。背も低いし。華奢じゃなくなってしまっているのが問題だが、肉体改造ならしてくれそうだし。
いずれにせよ、佐藤健も岡田准一もさっさと香港のアクション映画を経由して世界に突っ込みたい。ニコラス・ツェーVS岡田准一とか面白そうだ。兄貴ショーン・ユーと子犬の佐藤健だったのに、子犬が兄貴を倒す、とかいける。二人ともぬるい純愛物だのちゃちなものをやるよりも遥かに成功できると思うのだが。
日本の個性のないアイドルの女の子たちは私の知る限りアジアでもキワ者扱いだが、ジャニーズ人気はメジャーだ(とジャニ好きは思う)。少なくとも、5、6年前までは若い華僑の女の子たちは我々日本人女子を見つけると「あらし〜」「やまぴぃ〜」だったのだ。もちろん、こっちも元々ジャニ好きだもの。ジャニ話で盛り上がる盛り上がる。日本男子のかわいさはアジアを制することができる。マスコミが男社会だからか知らないが、あまり大きく報道されていないことなのだが。
さあ、佐藤健、チャンスだよ。行くんだ中華映画へ。きっついきっつい現場だろうが、日本にいるより遥かに高いところへ行ける、と思う。少なくとも、経験値は上がる。
るろうに剣心 京都大火編
動乱の幕末で「最強」の伝説を残した男、緋村剣心。かつては“人斬り抜刀斎”と恐れられたが、新時代を迎えて、神谷薫ら大切な仲間たちと穏やかな日々を送っていた。そんな時、剣心は新政府から、剣心の後継者として“影の人斬り役”を務めた志々雄真実を討つよう頼まれるが・・・。
2014年
感想
監督は、相変わらず大友啓史。
アクションをきっちりやってくれて、さすがは谷垣健治。
四乃森蒼紫を演じた、伊勢谷友介が微妙どころ。
るろうに剣心 伝説の最期編
日本征服を狙う志々雄を阻止するため京都に辿り着いた剣心は、志々雄一派に立ち向かうが、志々雄は甲鉄艦・煉獄で東京へ攻め入ろうとしていた。志々雄に連れ去られた薫を助けるために剣心は海へ飛び込み、一人岸へ打ち上げられたところを、師匠の比古清十郎に拾われる。今の自分では志々雄を倒せない―剣心は清十郎に奥義の伝授を懇願する。
2014年
感想
全て、志々雄真実を演じた藤原達也によるような気がする。
きっちりアクションできるんだもんなあ、神木隆之介が。という感じで、みんな、中国行こうよ!というお気持ちになるのである。