スウォーズマン 女神伝説

公開日時 作成者 satoko

原題:笑傲江湖之二 東方不敗 The Legend of the Swordsman
監督:チン・シウトン(程小東)
出演:ジェット・リー(李連杰)ブリジット・リン(林青霞)ミッシェル・リー(李嘉欣) ロザムンド・クヮン(關之琳)
1992年 香港

あらすじ

リンは妹弟子のツァイツァイを連れて隠遁するために華山派の新天地を探し求めていた。その途中で謎の美女に遭遇する。一方、苗族の日月教の教祖の娘、インは1年後のリンとの再会を心待ちにしていた。しかし、インたちは忍者の集団に襲われる。その背後にいたのはインの叔父、東方不敗だった。東方不敗は「葵花宝典」の奥義を身につけ、強大な力を誇る。秀吉を良しとしない忍者の服部たちと東方不敗は手を組み、朝廷の転覆を図る。リンたちが到着した時には、死体が転がり、インは失踪。異国の者にさらわれたと気づいたリンはインを探すことにする。その途中でリンは声を出さない美女に遭遇し、まさか、東方不敗が例の謎の美女とは知らないリンは美女に夢中になる。

リンはインと再会することができた。インの父を探しているうちに戦闘になり、リンは捕らえられる。地下牢でインの父に出会い、救い出す。「葵花宝典」の奥義は去勢しなければ身につけられない。男であった東方不敗は去勢して女のような容姿になり、リンと出会って以来声も変わってきた。そして、陽気なリンが恋しい。

東方不敗はリンに愛人のシィシィを合わせ、自分は戦闘に加わる。インの部下のラン、ツァイツァイ以外の華山派は東方不敗の前に敗れ去り死んでいく。物音を聞きつけたリンは出て行く。リンは謎の美女が東方不敗であることをようやく知る。

東方不敗はリンを殺せない。しかし、リンは東方不敗を刺してしまう。東方不敗は海に落ちた。
日月教は漢族を殺す命令を出した。リンとツァイツァイも例外ではない。インは二人を日本行きの船に乗せた。インの手元には琴だけが残った。

レビュー

あー、これこそツイ・ハークですよ。この荒唐無稽さがツイ・ハークとチン・シウトンの醍醐味ではないですか。
キャストは一新されてジェット・リーにロザムンド。ロザムンドの声がなんだか聞きなれない。おそらく吹き替えられたな。(でもなんで吹き替えるんだ?)

前回「チビ」と字幕が振られていた妹弟子だが、今回の字幕は「ツァイツァイ」。「仔仔」なら「おちび君」だ。でも、広東語では「チャイチャイ」と発音するし、港女はヴィック・チョウを「ザイザイ」と呼んだなあ。なんでもいいや。

中国の英雄ものって、必要以上に美化することがある。例えば三国志演義の劉備とか。さらに水滸伝の宋江とか、妙におぼこい主人公(男)と決まっている。英雄色を好む、というけれど、なぜか童貞臭い(けれどもてもて)という男が主人公になることが多い。現代でもその伝統は生き残っていて、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」のフェイホンもそうだし、ジャッキー・チェンは常におぼこい役を演じる。そういう主人公に少し食傷気味だ。

さらに、助け出した人はいい人と決まっていたり。

けれど、本作は少し違う。東方不敗は野心的な人物であり、悪党だということになっている。しかし、リンが助け、リンが愛さないわけではないインの父であり、東方不敗の兄である教祖は東方不敗の上をゆく悪人だ。自分を助けてくれ、またインの愛するリンですら、漢人であるというだけでパージする。

いわゆる、「武侠モノ」の文脈からは随分と懸け離れた人々である。

ツイ・ハーク、チン・シウトン、ジェット・リーそしてロザムンド・クヮンとくれば、「ちゃーんちゃーん、チャンチャンチャンチャンチャーン」ご存知「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」なのだが、ジェット・リーは気が多いし、落ち着きがないし、酒に溺れている。人間臭さをあまり感じないジェット・リーなのだが、今回は合格。

さらに助け出した教祖はむはははは、と敵ではないけれど決して味方でもない、野望の塊である。これもまたよろしい。救った相手が敵以上にどうしようもない存在でむしろ邪悪だった、だなんて現実にはありがち。

問題はブリジット・リン。確かに美人だったんだろうな、と思うし、キリッとしている。しかし、色気はない。頬の下の部分が垂れ下がっていて、マリオネットラインばっちりだ。しかも野望を企む東方不敗にしてはやたら生真面目そうで、服部たち日本の忍者にだまされてるんでしょ?という感じなのだ。教祖の方が怪しいし、変態ちっくだよ?

でも「楽園の瑕」はこのブリジットあってなのだろうけれど、あちらで見せた妖艶さがないのが残念だった。

そして、日本語に字幕が欲しかった・・・

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