花蓮の夏

公開日時 作成者 satoko

評価7の映画です。
原題:盛夏光年 Eternal Summer
監督:レスト・チェン(陳正道)
出演:ブライアン・チャン(張睿家)、ジョセフ・チャン(張孝全)、ケイト・ヤン(楊淇)
2006年 台湾

あらすじ

花連の小学校で、他動症っぽいショウヘンは持て余され気味だ。担任は優等生のジェンシンに友達になってあげて、と頼む。ジェンシンは責任感からショウヘンの友人になる。いつもかばってくれるようになったジェンシンに対してショウヘンは恩義を感じながら二人は高校生になる。そこへ香港からやってきたホイジャという女の子が転校してきた。ホイジャは同じ新聞部のジェンシンに恋をする。

ホイジャはジェンシンを台北へ連れ出し、ホテルに入るが、ジェンシンはホイジャにキスをしただけでそれ以上は何もできず、ジェンシンは混乱する。ホイジャはジェンシンがゲイであること、その相手がショウヘンであることに気づいた。失恋したホイジャを慰めたのはショウヘンだった。つき合ってくれというショウヘンに、ホイジャは「あんたが大学に入ったらね」と答える。

三人は無事に台北へ進学し、ホイジャとショウヘンはつき合い始め、ジェンシンは私立大学に通いながら、国立大学を受験するための勉強をする毎日だ。ホイジャの撮影する写真の対象は、ショウヘンだったり、ジェンシンでもある。ある晩、ジェンシンはショウヘンとホイジャがつき合っていることに気づき、ショックのあまり、公園で男に拾われ一夜を共にしてしまう。とうとう、ディスコで二者択一というゲームをしている中でジェンシンはショウヘンに「僕かホイジャか」と聞いてしまい、その場から逃げ出してしまう。ジェンシンはショウヘンと距離を置こうとするが、ショウヘンは事故を起こしてしまう。迎えにきたジェンシンをショウヘンは襲う。ジェンシンは再び国立大学の受験に失敗してしまう。三人で花連へ車で帰ろうということになるが、海岸で休憩していると、ジェンシンはショウヘンに「距離を置こう」と言ってしまう。

レビュー

二度目に見ると、間が悪いなと思ってしまう。小気味の良い「台北の朝」を見たせいか。ただ、前回はジェンシン側から見ていたのが、ショウヘン側から見られると少し印象が変わった。

おそらく、高校時代、体育館でホイジャに「あんたのせいよ!」「失恋したばかりなの」と言われたところでちらりとショウヘンの顔が映るのだが、唖然としたような顔をしていた。おそらく、そこでショウヘンはホイジャが失恋した相手はジェンシンで、ジェンシンが好きな相手が自分だということに気づいている。それでも、ショウヘンはホイジャが気になるし、ジェンシンを手放したくない。だから、ホイジャとつき合いながら、ジェンシンにつきまとうのだ。ただ、ショウヘンはゲイではないため、「友情」「親友」と迫るのだ。

小学校では嫌われ者だったが、運動神経の良いショウヘンは高校でも大学でも人気者になる。けれど、クラブで「好きで友達になったんじゃない。先生に命令されたからだ」とジェンシンに言われてショックを受けて事故を起こしてしまう。おそらくショウヘンは急に学級委員が仲良くしてくれるようになった理由も察していただろう。担任に命令されたら、その学年、小学校だけ友達でいればよかっただけなのに、裏切ることなくずっと一緒にいてくれたジェンシンだけが信用できる「友達」だったのだろう。ジェンシンがいなくては不安なのだ。それなのに、ジェンシンに「命令されたからだ」などと言われるからさぞ衝撃的だっただろう。

だから、ショウヘンは警察に迎えにきてくれたジェンシンを「襲う」のだ。それは、相手を失わずにいるための一種の自己犠牲だった。ジェンシンを失わないためにジェンシンが最も望むこと、自分を差し出したのだ。それでも、愛することはできなかったのだ。

「お前は一番の親友だ」
事実をもって、拒絶するしかないのだ。

ホイジャはショウヘンをジェンシンの家に迎えにきたときに、何があったか気づいただろう。そのホイジャが愛する相手はジェンシンだろう。ずっとホイジャはジェンシンの写真を撮り続けていた。

ホイジャ役のケイト・ホイは典型的香港美人だろう。終始仏頂面なのだが(香港人ってそんなイメージだ)、「いるよね、こういう仏頂面の美人さん。笑わせてみたいと男が群がっててさ、」という感じで決して大根ではない。

舞台は花蓮と台北。台北襲った地震の年の物語だ。
ごみごみとした台北と、花連の田舎っぷりが対比的だ。太平洋側の花連近辺の海岸の大きめの波が綺麗だった。
昨年の台湾旅行では花連まで足を伸ばせなかったのが心残りだ。

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